有酸素運動と無酸素運動における水素水の効果—パフォーマンス向上の可能性

マラソン 有酸素運動

2023年、Jebabli教授率いる研究チームが、スポーツ科学における新たな発見を発表しました。その研究内容は、水素水が有酸素運動のパフォーマンスを向上させる可能性を示すもので、アスリートやトレーニング愛好者にとって注目すべき内容です。

目次

水素水とは?

水素水(HRW)は、抗酸化作用と酸化ストレス軽減効果が期待される飲料で、近年では運動パフォーマンスへの影響が注目されています。しかし、その効果についてはまだ一貫した結果が得られていないため、この研究は特に興味深いものとなっています。

研究の目的

本研究は、水素水が有酸素運動および無酸素運動時に身体的、感覚的、そして心拍応答に与える急性効果を調査することを目的としました。

研究デザインと方法

研究には22名のアマチュア中距離ランナー(平均年齢21±1歳)が参加しました。以下の条件で実験を行いました:

  • デザイン:ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験
  • 介入:運動開始30分前に500mLの水素水またはプラセボ水を摂取
  • 測定項目
    • 有酸素運動:最大有酸素速度(MAS)および疲労困憊までの時間(Tlim)
    • 無酸素運動:スクワットジャンプ(SJ)、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、5連続ジャンプテスト(5JT)
    • 生理学的指標:最高心拍数(HRpeak)および主観的運動強度(RPE)

研究結果

  1. 有酸素運動パフォーマンス
    • 最大有酸素速度(MAS)が水素水摂取後に有意に向上(p=0.04, Δ=0.55%, d=0.06)。
    • 疲労困憊までの時間(Tlim)が有意に延長(p<0.001, Δ=7.71%, d=0.39)。
    • 最高心拍数(HRpeak)が増加(Vameval test: p<0.001, Δ=1.01%, d=0.21; Tlim test: p<0.001, Δ=1.98%, d=0.31)。
    • 主観的運動強度(RPE)が低下(Vameval test: p<0.001, Δ=-0.83%, d=0.14; Tlim test: p<0.001, Δ=-6.65%, d=0.77)。
  2. 無酸素運動パフォーマンス
    • スクワットジャンプ(SJ)、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、5連続ジャンプテスト(5JT)のいずれにも水素水摂取による有意な効果は見られませんでした。

考察と結論

この研究は、水素水が有酸素運動におけるパフォーマンス向上に寄与する可能性を示しました。特に、疲労困憊までの時間延長や主観的運動強度の低下は、持久力を必要とするスポーツにおいて重要な利点となるでしょう。一方で、無酸素運動における効果は確認されていないため、水素水の使用目的は運動の種類によって選択する必要がありそうです。

用語解説

  • MAS (Maximal Aerobic Speed): 最大有酸素速度。有酸素運動能力の指標。
  • Tlim (Time to exhaustion): 疲労困憊までの時間。持久力の指標。
  • RPE (Rate of Perceived Exertion): 主観的運動強度。運動の辛さを数値化したもの。

水素水は、特に持久系スポーツにおいて、アスリートの回復やパフォーマンス向上をサポートする可能性を秘めています。今後の研究と実用化に期待が高まります。

参考文献

Frontiers | Acute effect of hydrogen-rich water on physical, perceptual and cardiac responses during aerobic and anaerobic exercises: a randomized, placebo-controlled, double-blinded cross-over trial

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